東京高等裁判所 昭和35年(ネ)148号 判決
借地法第一〇条により賃貸人に対し買取請求をなし得る第三者とは借地契約の当事者(及びその包括的承継人)以外の者を意味し、買取の対象となる物件とは借地権者から直接又は(敷地の借地権が賃貸人の承諾なく数次譲渡されたため)間接に右の第三者が取得した物件を意味し、賃貸人の承諾のないのに拘らず右第三者が当該敷地の上に無断で建てた建物その他の物件を含まないことは当然である。然るに控訴会社主張の本件建物は従前の賃借人であつた徳江が本件地上に建築所有していた建物ではなく、右建物は控訴人等において取毀しその跡に新たに建築した別個の建物であることは証拠により認められ原審における控訴会社代表者倉田安次郎の供述は右認定を左右するに足らずその他右事実を覆すに足る証拠はない。よつて、控訴人等は被控訴人に対し本件家屋につき買取請求を行使し得ないこと勿論である。
(鈴木忠 菊地 加藤)